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歯科医院開業時のマーケティング 医療広告ガイドライン

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歯科開業時のマーケティング

医院または歯科医院に関する広告については、患者やその家族の利用者保護の観点から、医療法その他の規定により制限されてきたが、その中でWebサイト(ホームページ)はグレーゾーンとされてきた。

しかしながら、平成29年に医療機関のWebサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとした。その後、今日に至るまで厚生労働省により「医療広告ガイドライン」が更新され運用されてきています。

歯科医院の広告を行う場合は、この「医療広告ガイドライン」に則った広告の制作と出稿が必要となり、違反をすれば是正命令や罰則の対象となりますので、細心の注意を払う必要があります。

広告規制の対象

原則的に下記の広告は禁止されています。
(ⅰ) 比較優良広告
(ⅱ) 誇大広告
(ⅲ) 公序良俗に反する内容の広告
(ⅳ) 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告
(ⅴ) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告

禁止の対象となる広告に内容

(1)内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)
具体例として、下記内容がガイドラインに記されています。
・「どんなに難しい症例でも必ず成功します」
→絶対安全な手術等は、医学上あり得ないので、虚偽広告として取り扱う。
・加工・修正した術前術後の写真等の掲載
→あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、 虚偽広告として取り扱う。
・ 「一日で全ての治療が終了します」(治療後の定期的な処置等が必要な場合)
→治療後の定期的な処置等が必要であるにもかかわらず、全ての治療が一日で終了するとい った内容の表現を掲載している場合には、内容が虚偽広告として取り扱う。

(2)他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)
具体例として、下記内容がガイドラインに記されています。
・ 「〇〇治療では、日本有数の実績を有する医院です。」
・ 「当院は県内一の医師数を誇ります。」
・ 「本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております。」
・ 「芸能プロダクションと提携しています」
・ 「著名人も○○医師を推薦しています」
・ 「著名人も当院で治療を受けております。」

(3)誇大な広告(誇大広告)
具体例として、下記内容がガイドラインに記されています。
・ 「○○センター」(医療機関の名称又は医療機関の名称と併記して掲載される名称)
→医療機関の名称として、又は医療機関の名称と併せて、「○○センター」と掲載することについては、
- 法令の規定又は国の定める事業を実施する病院又は診療所であるものとして、救命救急センター、休日夜間急患センター、総合周産期母子医療センター等、一定の医療を担う医療機関である場合
又は
- 当該医療機関が当該診療について、地域における中核的な機能や役割を担っていると都道府県等が認める場合に限るものとし、それ以外の場合については、誇大広告として取り扱う。

(4)公序良俗に反する内容の広告
わいせつ若しくは残虐な図画や映像又は差別を助長する表現等を使用した広告など

(5)広告可能事項以外の広告
具体例として、下記内容がガイドラインに記されています。
・ 専門外来
→専門外来という表記については、広告が可能な診療科名と誤認を与える事項であり、広告可能な事項ではない。
・ 未承認医薬品(海外の医薬品やいわゆる健康食品等)による治療の内容 →治療の方法については、広告告示で認められた保険診療で可能なものや医薬品医療機器等 法で承認された医薬品による治療等に限定されており、未承認医薬品による治療は、広告 可能な事項ではない。

(6)患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談
医療機関が、治療等の内容又は効果 に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘 引を目的として紹介することを意味するが、こうした体験談については、個々の患者の状態等に より当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療広告と しては認められない。 これは、患者等の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。 なお、個人が運営するウェブサイト、SNS の個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コ ミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載 を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しない。
とされている。

(7)治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等
術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主 なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明を付した場合についてはこれに当たらない。 さらに、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例 えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな 文字で掲載したりといった形式を採用してはならない。
とされている。

限定解除要件

上記のように法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、広告してはならないこととされているが、「患者等が自ら求めて入手する情報については、適切な情報提供が円滑に行われる必要があるとの考え方から、別途規定する要件を満たした場合、そうした広告可能事項の限定を解除し、他の事項を広告することができる」とされています。

広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とされています。(ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。)
① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウ ェブサイトその他これに準じる広告であること
② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

この限定解除により、
・未初認医療機器の名称の記載
・学会の認定医・専門医等の記載
などが可能となります。

これらのガイドラインに違反した場合、是正命令や罰則の対象になりますが、これらの規制を全て把握することは現実的ではありません。 歯科医院開業時にWebサイトを含めたプロモーションは必須になりますが、こられの専門知識を持った専門家に相談されることをお勧めします。

歯科開業の教科書
編集部

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歯科開業の教科書 運営事務局

歯科医院の開業と運営に携わる現場コンサルタントが歯科開業に関する「旬」な情報を現場目線でお届けします。

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