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トラブルになりやすい事(労務)
2021.08.17
1.同一労働同一賃金
2021年4月より、同一労働同一賃金が中小企業においても制度化されました。正規雇用・非正規雇用による給与の不利益な扱いが禁止されます。
例えば常勤で月間175時間勤務するスタッフの給与が、25万円だったとします。
この常勤スタッフの月給を時給に換算すると、約1,430円です。
同じ歯科医院で勤務する非常勤スタッフの時給が1,000円だった場合、両者の業務内容が明らかに異なっていなかったとすれば、この賃金差はバランスが悪いと言わざるを得ないということです。また常勤には手当がつくが、非常勤には手当がつかないといった場合も、同一労働でないという明確な基準が必要になります。
「社員は交通費全額支給、パートは上限あり」や、「社員には有休があり、パートにはつかない」などはアウトになります。
2.年次有給休暇について
年次有給休暇取得の義務化
雇い入れから6か月以上勤務していて、なおかつ全労働日の8割以上出勤している場合、パートタイム労働者・有期雇用労働者も含めて「年次有給休暇」を付与する必要があります。
残念ながら、年次有給休暇取得については、日本は後進国です。
歯科医院の中には、年次有給休暇がないと公言している医院もあります。
働き方改革により、2019年4月からの法改正で、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、毎年5日以上は時季を指定して有給休暇を取得させなければならないことが“義務化”されました。これはパートタイム労働者・有期雇用労働者も対象に含まれており、違反した事業主には労働者1人につき30万円以下の罰金が科せられます。
土日祝日を就業規則で休みに設定した場合、どんどん祝日が増えていき、勝手に休みが増えるため、有給休暇を取得しにくくなるので注意が必要です。必要に応じて、盆正月などを利用した計画的付与を推奨いたします。
3.賞与
まず、就業規則で賞与を支給する旨を定めている場合で、非常勤には支給しないと言った記載がなければ、賞与は常勤だけでなく、非常勤も含めて支給する必要があります。
では、非常勤には支給しないと就業規則に定めていれば、賞与を支給しなくてもよいのか?という疑問が出てきます。
1.の同一労働同一賃金において、賞与もこれに含まれます。
賞与に関しても、常勤・非常勤で同一労働でないことが明確であれば、常勤には賞与あり・ 非常勤には賞与なしでも問題ありません。
賞与を支給する場合、1ヶ月分といっても、基本給部分の1ヵ月分なのか、月額支給と同じ1ヶ月分なのか、医院によって様々です。賞与を支給するのであれば、ここの説明をきちんとしておかないと後でトラブルになるケースがあります。
また、賞与支給について、就業規則や雇用契約書に明記してしまうと、これが決まりごとになってしまいますので、ご注意ください。
歯科開業の教科書
編集部
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