- HOME
- 歯科医院の物件選び
- 歯科医院の物件・立地
- 物件の費用対効果
物件の費用対効果
2021.08.16

物件に対して支払うお金について、いかがでしょうか。家賃でも戸建の施工費用でも、率直なところ、ある程度の条件が保証されるのならば、安ければ安いほどいいと考えるのが一般的な感覚です。しかし、こと歯科医院の開業においては、すべてのお金をセーブしようとするよりも、出すべきところには出すという感覚で、特に物件に関してはペイすべきです。
費用対効果を考える
俗にコスパといわれる費用対効果ですが、この考え方を斜め下に解釈している方が多いようです。つまり安いわりにはいい、のような感覚。コストの部分を優先させ、実のところパフォーマンスにはそこまでこだわっていない。これは本当の意味での費用対効果とは言えません。
経営者目線、つまり合理性を追求し売上を上げるビジネス志向の費用対効果の考え方は、コストよりもパフォーマンスを優先させます。つまり、何が得られるか、刹那的・臨時的な売上はもちろん、一定以上の期間売上や効果が続く、継続的なゲインが重要です。
これを歯科医院の経営という視線まで持ってくると、まずは集患、そして増患、さらに保険診療にプラスして自由診療の売上となります。
たとえばファミリーで増患しようという場合には子どもたちを遊ばせておく、靴のまま上がれるちょっとしたスペースが待合室にあると印象が良いでしょう。さらに子どもに慣れた優しい雰囲気のお母さんらしい歯科衛生士や助手がいると、なおよしです。この場合、物件に足して、人材もペイすべきポイントといえます。
審美歯科で予約優先性、自由診療での売上がメインとすればどうでしょうか。保険外の詰め物、歯列矯正、口元のヒアルロン酸注射など、歯科医院でも美容を売りとする場では、利用者の印象として、内外装の見た目のイメージが先行します。さらに立地も問われるところです。必ずしも中心街が良いということもなく、郊外のはずれのクリーンなイメージがあるところで、利用者専用の駐車場があれば理想的。多少家賃が高くても、デザインにお金がかかっても、長期的に患者を集めるために、そのような物件にはペイすべきでしょう。
戸建もテナントも費用対効果の考え方は同じ
以上のような費用対効果の正しい理解は、戸建でまっさらな場所に新規開業する場合も、テナントに支払う家賃でも同じです。基本的に高額な資金が必要となる戸建で造る場合は、都市計画や具体的な集患・増患の動きまでイメージし、マーケティング、ブランディングさえ入念にしておけば、むしろ少々のお金は惜しまない心構えが必要ではないでしょうか。物件に対する費用ももちろん、信頼できるパートナー(ディーラー、専門業者)や施工者に対して支払うお金も、セーブするところではありません。実績を見て、上昇志向で費用対効果を考え、「良いもの」を適正な値段で買うべきです。
テナント、貸店舗の場合も、この費用対効果の考え方は変わりません。自分のイメージ、プランを胸の中にファーストに持ち、その計画に付ける、合わせるというスタイルで物件を探しましょう。条件面で多少の妥協をした物件か、十分に満足できる10万円高い物件かならば、後者を取るのが経営者としてあるべき意気というものです。成功させるための自分への戒め、適度な負荷とでも言えるでしょう。そのために何をすれば良いか、ホームページの作り方にこだわる、良い人材に良いお給料を払う、セミナーに出て最新の情報を仕入れ、それをブログで発信する、など、ペイする分が自分の原動力になり、それがひいては向上心ある歯科医院の姿と映り、「あそこは良い歯医者だ」と周囲の人に認められるきっかけになります。あるいは後に小規模に作り直して転院するにしても、名前を知ってもらってしかるべき事前の告知と広告を行えば、患者はついてきてくれるはずです。
高いは単に「悪」ではない、大事なのは高さの理由
歯科医院開業の物件探しで家賃や施工費用が高くついてしまうことが、単に「悪」とは言い切れません。もちろん、それほど良い条件でもないのに適正価格から外れているようなところもあるでしょう。そういった物件はすでに減価償却が済んでおり、今後そのエリアで競争が激しくなってきたときに、うまうまうちに入ってくれれば、と考えているのかもしれません。
このように、大事なのはその値段の中身を知ることです。なぜこの価格なのか。立地か、空間設計か。費用対効果、費用と効果、まさしくそれが平衡を保ち、一致するか。あるいは自分の力により効果を高められるなら(HP等でのブランディング、周知、そして自らの腕と評判など)、費用というのは物件探しの問題で二の次にくるものです。
とはいえ、家賃や見積もりが常に決まりきったものであるとは限りません。特に長くお店が入っていないような貸店舗には多少の家賃交渉の余地があります。施工者も当然、相見積もり(複数の業者に、他者の見積もりを見せて見積もりを出してもらう)すれば、最初の費用からはいくらか下がるはずです。しかし、このあたりの交渉は、個人レベルでは難しいものがあります。駐車場や何かの契約とは違い、歯科医院開業のための契約には、専門の業者やパートナーを間に挟むことが原則で、その範囲に精通しているプロを通じて、はじめて物件の適正な価格が提示されるものと思った方がよいでしょう。
歯科開業の教科書
編集部
この記事をシェアする

歯科開業の教科書 運営事務局
歯科医院の開業と運営に携わる現場コンサルタントが歯科開業に関する「旬」な情報を現場目線でお届けします。









