良い物件に辿り着く必勝法

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良い物件に辿り着く必勝法

歯科医院は失敗しにくいビジネスモデルだといわれます。専門性の高い業であり、参入障壁が高く、また保険診療に売り上げの7割が担保されることがその理由としてあります。しかし何もかもが簡単なことではありません。開業に伴っては「物件探し」が最重要なポイントとしてあり、ここでは歯科医師としての技量や知見は関係しません。歯が痛くなれば歯医者に行くように、ましてや歯科医院という特殊なものに適した物件を探すならば、物件探しのプロの力を頼るべきです。

物件探しで押さるべき5のポイント

歯科医院開業のための物件探しでは、次の5つの点を最低限押さえなければなりません。

①ビジョン、ニーズに伴う場所の選定

何を自院のコンセプトとするか。そのビジョンを優先させるか、あるいは地域の歯科医院的需要すなわちニーズに合わせて開業するかで、まず大きな点でエリアが変わってきます。東京都内であれば、二十三区内のどこにするか、それとも郊外にするか、前提的な大きな選択です。そもそも自らが歯科医としてビジョンを売りにすべきか、それともニーズに合わせるべきか、知人に印象を聞くなどして客観的な判断を下して決定を。

②立地の雰囲気を見る

いくつか候補地が絞り込めれば、その場の雰囲気を現に目で見て確かめなければなりません。可能であれば一年を通して平日と休日、祝祭日や行事の雰囲気を見ておきたいところです。そこで集患のイメージを固めていきます。たとえば子どもの増患を考える上では、学校との距離感や保護者の目に触れる立地が大事です。こういう小さな、しかし非常に重要な点は実際に足を運んでみなければ確認できません。

③貸店舗か、戸建か

テナントを利用して開業するか、戸建で新しい歯科医院を作るかで、開業までのスケジュールや費用が変わります。テナントの場合比較的スピーディーに開業できますが、土地から買って上物を造り、その中を設計して設備を運び込んでいく場合は、最低1年程度の時間がかかる上、ほとんどやり直しがききません。ただし成功を収めた際には非常に資産価値の高いものを手中にできます。

居抜き物件を利用することもできます。居抜きの場合、以前まで歯科医院だった物件を中の設備もそのまま(でない場合もありますが)譲り受けることができるため、初期費用をかなりセーブできるメリットがあり、またスピード開業も可能です。ただし以前のオーナーが設計した物件なので、後からデザインが変更しにくい短所も。

④具体的な物件探し、内見

自らのイメージ、また歯科医院としてのプランと合致する場所が決まれば、具体的な物件探しをスタートしていきます。最初はインターネットで大体の見当をつけることかと思われますが、ネットの情報は最新のものでない可能性もあります。物件は日々動いているので、ネットに掲載されている情報よりも、不動産屋のデータの方が正確です。

物件探しは、地元の不動産屋に相談して進めていきましょう。内見して中身の雰囲気を確認、患者の立場に立った立地の「利用しやすさ」をその場で再確認します。

⑤物件の契約

選定した物件との契約です(戸建の場合は施工者との打ち合わせ、契約)。あとはサインするだけ、とここでアバウトになってはいけません。たとえば定期借家契約のように、契約した「定期」を過ぎれば、退去しなければならない物件もあります。不都合なことを隠すような業者は現在の不動産屋の良心としてないでしょうが、契約の内容にはご注意を。

プロに頼って物件探しに勝つ

このように物件探しにおいてはイメージ的、そして実務的な作業と、普段使わない右脳左脳を組み合わせる頭脳労働と、そして現実的なコスト(労力)があります。端的に言ってしまえば、心身ともに疲れる作業です。ゆえに、その業のプロ、不動産会社や歯科医開業のディーラーがいます。イチからすべて自分の計画通りで進めたい方でない場合は、早い段階で専門業者にある程度のことを委ねてしまうべきでしょう。

プロにしか理解できないこととして、たとえば「都市計画」があります。都市計画とは都市の発展のために適正な施設設備を進めることです。噛み砕いていえば、その地に住まう人の利便を考えて道が増えたり、大型の商業施設が建ったりする可能性があります。この都市計画によって、街の住民層が長期的に見て一変する可能性も。今は新興住宅街でも、20年後には一世代育ってお年寄りの住まう街となっていて、審美歯科の需要は低くなるか、あるいはインプラント需要などが高まる可能性があります。こうした、その街のビジョンというものは、地元の情報に精通するプロしか把握しえないことです。

その他、物件の種類として「スケルトン物件」などもあります。これは何もないクリーンな状態の物件のことで、いわばコンクリート打ちっぱなしの状態のもの(建設途中で何らかの理由により解約された物件)。中身をきれいにデザインできる点で、テナントや居抜きよりも自由度や改造性が高く、大手のチェーン店などはこの手のものを望みます。この種の物件の情報は、なかなか一般には公開されていません。もちろんディーラーを通じ施行者を挟んで、歯科医院向けにきれいにデザインできます。

また専門業者が勧める物件として「コンビニ跡地」があります。これも通常あまり聞くことはありませんが、不動産界隈で、会社というよりは一般市民に向けたお店を開業しようとする事業者には、確実に勧められるものです。コンビニは十分にマーケティング、ブランディングされて造られており、そして閉店した理由としては、現今の非常に厳しい労働環境が主な部分としてあります。それは歯科医院とはほとんど無縁のことであり、冒頭で述べたように、参入障壁の高さと保険診療という担保に守られた歯科医院にはむしろ好適。実は、狙いで、コンビニの近くにお店をオープンして、いわば「おこぼれ」をもらって繁盛しているお店もたくさんあります。

このように不動産会社、歯科医院開業のプロディーラーには、彼らだけが知っている独自のもの、さらに地域によって具体的に踏み込んだ「これ」というピンポイントのものまで、一介の人では得られない価値の高い情報を所有しています。いずれにせよ契約に関しては不動産会社を通してくれと言われるケースがほとんどなので、大体のイメージが早いタイミングで信用できるパートナーに話を持ちかけてみるべきでしょう。これぞ必勝法です。ただし、何もかも一任するのでなく、自分の意向をしっかりと伝え、骨惜しみせず現場に足を運ぶことも大事です。

歯科開業の教科書
編集部

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歯科開業の教科書 運営事務局

歯科医院の開業と運営に携わる現場コンサルタントが歯科開業に関する「旬」な情報を現場目線でお届けします。

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