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歯科医院の設計・施工(業者の相見積もり)

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歯科医院の設計・施工

見積もり依頼の方法

設計が一通りまとまったら、見積もりを依頼します。
見積もりを依頼する方法には、2つのパターンがあります。

1. 相見積もり

相見積もりとは、数社の施工会社に見積もりを依頼する方法です。
設計施工分離の場合、設計図が共通のため、仕上がりの状態を担保できます。そのため、必ず価格競争が発生するため、工事費を安く抑えられることが期待できます。
逆に設計施工一括の場合、施主の要望は反映されていますが、設計図や仕上がりに関しては業者ごとに違います。

2.特命見積もり

特定の一社に見積もりを依頼する方法です。すでに取引実績があって、2件目の歯科医院を開業する場合であれば、相見積もりもせず、そのまま依頼されたりすることもあるでしょう。
相見積もりと違い価格競争が発生しないので、一般的には、顧客との信頼関係がきちんと出来上がっている前提になります。
ショッピングモール等のテナントで開業する場合、オーナー側指定の工事業者でしか工事が認められない部分があります。大型商業施設や駅ビルなど、不特定多数の人が動くような施設では、空調、電気・照明、防災などのビル設備に対する工事(B工事といいます)は、施設の安全確保の関わる部分であり、オーナーが指定する業者でしか認められません。したがって、他の工事のように相見積もりができないため、これも特命見積もりといえるでしょう。

相見積もりの取り方

相見積もりの場合、最低3社に見積もりを依頼するのが一般的です。
基本的には、施主の知人の施工業者、設計会社やディーラー、コンサルティング会社から紹介された施工業者に相見積もりを依頼することがほとんどです。
大手の建築会社やハウスメーカーであっても、歯科医院建設の実績に乏しい場合は、注意が必要です。
設計会社からあがってきた設計図に対し、同一条件での競争になりますが、各社からあがってくる見積金額はバラバラです。一番安い業者と高い業者では、数百万の差がつく場合もザラにあります。各社の見積もりが出そろい、内容に漏れなどが無いかを確認後、業者の絞り込みを行います。
ここからが本番です。絞り込んだ業者に対し、さらなる更なる価格交渉を行っていくのですが、ここからさらに数百万のディスカウントになる場合もありますので、相見積もり後の価格交渉は必ず行いましょう。
ただし、無理にディスカウントを要求すると、単純に質が落ちてしまう可能性もあります。設計業者に協力してもらい、中身をキチンと精査しながら価格交渉を行えばよいでしょう。
しかしながら、最終的に業者を決定するのは、施主です。
価格を重視するのか、それとも打ち合わせ時の対応・人柄を重視するのか、施主により考え方はさまざまです。歯科医院開業といえば、人生の一大プロジェクトですので、やはり信用・信頼という部分が一番大きなウエイトを占めてくるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

設計費と工事費の目安

設計費の目安

施主である歯科医師の要望を聞き、歯科医院の施設基準に沿って、設計図面に落とし込みしていきます。
設計に関しては、前述した設計施工一括の場合と設計施工分離の場合で事情が異なります。
設計施工一括の会社は、「設計料は無料です!」と謳っている会社が多数あります。なぜそのような価格設定になるのか説明すると、設計施工一括の会社は、「設計」だけでなく「工事」もセットで受注する仕組みであり、実は設計費は工事費に含まれていたということもよくある話です。
逆に、設計施工分離の場合は、必ず設計費が発生します。
有名なデザイナーに設計を依頼すれば、通常の設計費よりも高額になります。
また建物の規模、完成までにかかる期間、設計管理が必要か否か、など諸条件により設計費は大きく変動します。

設計費って一体どれくらいかかるのか?と相談された場合、あくまでも目安ですが、内装工事費の10~15%程度とお答えしています。設計費に設計管理が含まれているかどうかは、きちんとご確認ください。

工事費の目安

歯科医院の工事費を算出する目安として、主に「坪単価」が使用されます。
そもそも「坪単価」 とは、1坪(3.3㎡)あたりの費用のことを指し、この場合の費用は工事費のことです。
(工事費用)÷(歯科医院の坪数)=(歯科医院の内装工事費坪単価)
坪単価は、家賃に対する相場としても使用されています。
その場合は、(家賃)÷(歯科医院の坪数)=(歯科医院の家賃坪単価)となります。
一般的には、坪単価は歯科医院の面積が狭くなれば高くなり、 広くなれば安くなります。 また、造作家具にこだわったりすると、それに伴い工事費が高くなるので、坪単価も比例して高くなります。
また工事費用の坪単価は、工事内容や諸条件により大きく変動してしまいます。
居抜きで開業するのか、一から作り上げて開業するのかでも大きく違います。
設計費と同様、あくまで目安ですが、歯科医院の工事費を算出する場合、坪単価は「およそ60万~100万」程度です。工事内容には、造作、空調、照明、看板工事なども含まれます。
したがって、30坪の歯科医院開業であれば、1,800~3,000万円程度の工事費、その工事費から算出すれば、180~300万程度の設計費用がかかると想定できます。

坪単価は、開業場所など諸条件により大きく変わります。
例えば30坪で900万円ほどの工事費(坪単価30万)の見積もりをもらった場合、その工事費にはどこまでの作業が含まれているのか、きちんと確認しておきましょう。
工事費に大きな影響を与える項目を以下に記します。

・外装工事、外構工事
外装工事は集患の上で重要な部分です。テナントの1Fで開業する場合や戸建て開業の場合は、手を加えたほうが良いでしょう。しかしテナントの2F以上で開業する場合では、外装工事は全くできない場合もあります。以上より、外装工事の有無だけでも、工事費用に数百万円の差が出てきます。
外構工事も同様です。

・看板工事、解体工事、空調工事、給排水工事、サッシ工事
これらも開業する場所、条件に左右される工事です。
看板も大きな看板が出せる場所で開業するのであれば、積極的な投資をされるでしょう。しかし看板が出せないような場所で開業する場合、看板工事代は必要がありません(看板が出せないのであれば、別のプロモーションを検討し、集患をする必要があります)。
居抜きで開業する場合、もとからある設備や家具を利用するのであれば、解体費も少なくて済むかもしれませんが、全面的にやり直す場合、解体費も高額になるでしょう。テナントがスケルトンの状態であれば、そもそも解体費というものはかかりません。ここでも大きな金額の差が出てきます。
また居抜きの開業の場合、設備(空調・給排水・サッシなど)をそのまま使用できれば、初期の設備投資費用は少なくて済むかもしれません。

・家具
家具を造作家具にするか、既製品にするか、ここでも大きく工事費用が変わってきます。
造作家具にすれば、設計にあわせた家具を作成するため、見た目のおさまりも非常によく、医院コンセプトに合った仕上がりになります。造作家具が多ければ多いほど、工事費は上がります。
逆に既製品を使えば工事費用はぐんと下がりますが、出来上がった歯科医院の内装に既製品の家具がなじむかどうか不安は残ります。

このように、コストには様々な要素が密接に絡み合っています。
誰もが、できるだけ「安く」、できるだけ「速やかに」、できるだけ「高品質」な歯科を開業したいと思われますが、これらすべてを高レベルで実現するためには、当然、時間も費用もかかってしまいます。
コストダウンを検討する場合、まず施主が、どの部分を最優先に考えているのか、はっきりさせることが重要です。工事費のコストを削減することも大事ですが、コストを最優先にすることで、開業時期が大幅に遅れたりするようであれば、その分の余計なコスト(家賃や人件費)も発生してしまうことをお忘れなく。

歯科開業の教科書
編集部

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歯科開業の教科書 運営事務局

歯科医院の開業と運営に携わる現場コンサルタントが歯科開業に関する「旬」な情報を現場目線でお届けします。

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