歯科開業のための設備・機材(依頼先の選定)
2021.08.17

機材・設備の導入について、大体の像が見えてきたら、依頼先を選定します。すべてを自己レベルで取引することは不可能に近く、プロのディーラーを通じ導入することになります。
開業と機材・設備導入のタイミングについて
機材と設備の導入は、カタログを見てこれと指でさしていくよりも、医院との現実的なマッチング・イメージを結実させるためにも高価なものは特に現認すべきです。開業を意識し始めたら、まずメーカー主催のセミナー、デンタルショーなどに参加して情報を集めましょう。
その上で必ずディーラーとはかかわりを持つことになります。ただし相手もセールスなので、最初は自分を大きく見せて、実際にはそこまでの力がないことも考えられます。プロのディーラーを頼るならば、セミナーやデンタルショーなどで大体の見当がついたところで連絡を入れましょう。勤務医時代から信用できるパートナーがいるならば、もちろん自分がお世話になった院長に相談してから、その業者に声をかけるという手順を踏むことが礼節です。
■新規歯科医院立ち上げ 機材・設備導入のスケジュール感
歯科医院立ち上げのための機材・設備の設置には時間がかかります。特に大型医療機器。これはさすがに今日の明日ということは不可能で、納期は次のようなイメージです。
- 開業予定日の1年ほど前から機材の下見や情報収集などを始める
- ディーラーは開業の半年前、メーカーは8ヶ月前程度に決めるのが理想的
- ユニットなどの大型医療機器は3ヶ月前までに決定
- 小型医療機器、インスツルメント、歯科材料は2ヶ月前に決定
このうち3の大型医療機器の導入に関しては、特に現実的なデッドラインがあることを理解しておかなければなりません。開業前の届出、厚生省や保健所への、開業前の事前検査に間に合わせることを考えて、最低でも3ヶ月前と余裕を持って計画する必要があります。
ディーラー選定がコストと有益な情報、開業の成否のカギを握る
開業に必要な機材・設備をそろえるにあたり、機械室、国産ユニット3台、CT、マイクロを持つならば、2500万円~3000万円。ユニット3台とデジタルX線装置ならば2000万円程度です。
そのように、おおよその費用感はそのようなものですが、細かいところを詰める力はディーラー次第です。現実に100万円の開きがあれば、開業後の資金繰りなども考えて断念せざる終えない部分もあるでしょう。コストを抑える力は、ディーラーの実績次第ともいえますが、といって「ならば会社規模の大きなところがいいのか」と資本がしっかりしているところを取ると、逆に足元を見られる可能性もあります。確かに継続的に付き合いを続けていく上でディーラーの資本力や社会的な知名度は重要ですが、それがすべてではありません。
何よりも重要なのは、ディーラーの担当者の力です。小規模~中規模のディーラーでも特定のメーカーと付き合いが濃く、たとえばユニットを仕入れる額がかなりセーブできるならば、インスツルメントなど一式は比較的に多少高くても、総額は納得いく部分まで抑えられます。そのような専門性の高い歯科医院開業のノウハウを持った、担当者の顔、印象、具体的な力まで見て、依頼先を選定できれば、後々「大手よりも小回りの利くこの業者さんと付き合うことにしてよかった」と思えるはずです。
大づかみに病院の開業を手伝うディーラーといっても、たとえば一般内科と歯科医院とではまったく種が異なり、仕入れる設備の内容が違います。それぞれに専門性の高い業者がいて、各業界に精通した知見を持っています。開業という大きな決断をした際には、そのような有益な情報を提供してくれるディーラーと、設備導入時のきっかけを通じて繋がりたいものです。結果的に、歯科医院開業の道のプロから入ってきた情報で、開業の成否が決まった、という声も少なくないようです。
相見積もりと特命見積もり
機材、設備は一社から見積もりを見せてもらって、即決定というわけにはいきません。
業者もそれはわかっているので、見積もりにはある程度切り詰められる額というものを設定しています。そこで発注者として必ずしなければならないのは、相見積もりです。日常生活においてもコレを買うならA店かB店かと競わせるように、歯科医医院開業のための機材・設備も、複数の会社から見積もりを取って、どんな内容が出てくるか確認します。
その上で、前述したようなディーラーの担当者の人となりも見えてくるでしょう。丁寧なところほど、たとえば郵送やメールで済むようなものを、空いている時間をうまく見て適切なタイミングで足を運んでやってきてサッと渡して、邪魔にならないように帰っていきます。そのような印象面もこ、見積額と共によく見ておきたいところです。
そもそも見積もりというものは個人レベルで出してもらえないことも多いので、この段階でワンクッション、たとえば勤務医時代に何かとしてくれたパートナーなどに依頼するのも手です。その上で、出てきた見積もりを見て、最終的に決めた一社、または二社に他社の見積額を包み隠さず見せ、本命の見積もり、本見積もりをもらいます。そこで、ある程度以上は値下げされた価格が出てきます。
もしくは最初から特命見積もり一本というのもない話ではありません。特命見積もりとは、信頼できる一社から見積もりをもらって、そのまま話を進めること。この場合のディーラーの決め方は、具体的な評判や実績です。勤務医時代の先輩から「この会社なら」とアドバイスを聞いて決めるケースが多いようです。
歯科開業の教科書
編集部
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