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歯科開業は物件が命
2021.07.14

歯科医院の「物件探し」について。この部分が開業の成否の7割を占めるといっても過言ではないでしょう。ニーズのある場所に、現実的に集患が見込める歯科医院のイメージを一致させて、スタートする。そのために物件探しは慎重を期さねばなりません。
「コンセプト」か「ニーズ」 何を優先するか
歯科医院を開業する上で、まず業として何を優先させるか、という問題があります。ひとつは「コンセプト」でしょう。そして「ニーズ」です。つまり独立して自分の思う事業をやるか、ある程度そのエリアの要請する歯科医院的需要を優先させるかで、物件探しの方向性が変わってきます。むろん、このふたつが一致することがベストです。
■「コンセプト」ファーストの場合
歯科医院にはそれぞれコンセプトというものがあります。両極端な話のようですが、たとえば審美歯科と一般歯科に分けるとしましょう。審美歯科としてコンセプトを立てる場合、一定の保険治療には対応しながら、詰め物や歯列矯正などで売り上げを作ります。そのような歯科医院は、都会的な場所、あるいは裕福な街の中にあるべきです。あるいはあえて郊外の周囲には一般歯科の気配しかない場所に、ぽつんと審美歯科を作って「このあたりで歯をきれいにするならここ」というイメージを行き渡らせる手段もあります。
■「ニーズ」ファーストの場合
ニーズ(需要)を睨んで歯科医院を開業する場合、何度もその場所に通って潜在的な需要を見なければならないでしょう。一般歯科ばかり、それも昔ながらという感じ。ならば新しい歯科医院を立てるだけで、若い人が来てくれるのではないだろうか、という読みは甘いかもしれません。あるいはその昔ながらの歯科にずっと通っている人がその先生を信頼している場合、自分の係累や友人らにも勧めるでしょう。また昔ながらの歯科を、親族が引き継いで新しく作り直すこともあります。そうなると新規参入、集患は難しくなります。
ニーズの、特にどの部分を凝視すべきか。それはそのエリアの中心的な「世代」です。たとえば二十年前にできたニュータウンならば、一世代育って若い人が出ていき、今ではドーナツ化したお年寄りの街になっているかもしれません。そのような場所では審美歯科は難しいでしょう。駅前の一般歯科にプラスして審美歯科を少し、というやり方なら売り上げを作れるかもしれません。
エリアを構成する人々の「世代」を見て、長期的に集患できるコンセプトを立てて歯科医院を営業していく。そのイメージが、ニーズを優先する物件探しの第一前提となります。
集患の現実性は「立地」と「姿」がカギを握る
■立地の4要素と歯科医院
以上、「そもそも歯科医院としてどうあるか」を決めて物件探しを進める際に、よく見なければならないのは立地です。エリアについては、「コンセプト」か「ニーズ」を選ぶかで決めて、その中で絞り込んでいく上で、わかりやすいのは、すでに病院が多いエリア、あるいは駅前など、人々が「ここに行けばなんとかなるだろう」と思いやすいような場所を選ぶことです。
何をやるにも、立地は4要素だといわれます。「最短距離」「確実性」「安全性」「集合性」です。確実で安全なものを取る、それも評判が高くて人々が集まっているところにいく、できれば近いほど良い、というわけです。
ただ歯科医院の場合は、必ずしもすべてがこれに当てはまるわけではありません。たとえば、患者目線に立ったとき、近い場所に人が集まっているところに行きたいけれど、電話対応で混雑を告げられ何日か先まで予約が取れない。そうなると、車や自転車などで移動できる距離であれば、多少町外れでもクリーンな印象の新しい病院に行きます。そしてその腕が確かならば、定期健診などで通い続けるでしょう。 あえてこの4要素のうち「距離」と「集合性」は外すのも、ひとつの考え方です。
■建物の姿、どこにあるか
次に建物の姿です。見た目、古臭い建物はイメージがよくありません。これは都市部でも郊外でも同じで、そこを「あえて」と入ってくる人はいないはずです。居抜きで閉業した歯科医院を譲り受ける場合も、見た目や内装はきれいに入れ替える必要があるでしょう。また古臭い建物の周囲というのは、そもそも立地がよくないことも考えられます。いい条件の居抜き物件が見つかっても、そこで現実に経営していけそうにないなら見送るべきです。
見た目がきれいな姿をしていたら、次は看板の出し方です。特にビルのテナントに入った空中階にある歯科医院は見逃されがち。ウェブサイトでアクセスを丁寧に紹介し、また、駅看板の利用なども交渉した方が良いかもしれません。
望ましいのはやはり表通りに面した地階で、中が透けて見えるようなガラス張りです。車社会の街では駐車場、提携パーキングが必要でしょう。
建物の条件にも注意を
こういった視点で新規開業する建物を丁寧に見繕っていきます。戸建で新しく作る場合でない限り、理想的な物件が見つかっても、最後で詰めが甘くなってはいけません。買い上げなら良いのですが、賃貸契約の場合、「定期借家契約」と「普通借家契約」の二種類があります。前者の場合、定期の期限が終了し、借主がそれ以上の契約を希望しない場合は退去を求められることになります。また合意に至った定期の間は、その分の家賃を払い続けなければならず、途中で使用しなくなっても家賃は発生します。できれば借主の自由意志で使い続けることも退去もできる普通借家契約が望ましいところです。
とはいえ、こういう条件面の話は物件探しの途中で、よほどの仲介業者でない限り、事前に告知されます。しかし、定期借家の場合、おおむねその家賃が安くなっている理由が「なぜなのか」まで理由をはっきりさせてもらわなければ、困ったことになります。たとえば、もう先に取り壊しの計画がある、など。そうなると次の契約更新はありません。こうした面も含め、自らの考えられる範囲を超える場合には、物件探しは歯科医院専門のディーラーにアドバイスを受け、最後まで抜かりなく進めていきましょう。
歯科開業の教科書
編集部
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歯科開業の教科書 運営事務局
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