1. HOME
  2. 歯科開業の準備
  3. 事業計画
  4. 事業計画:開業のコンセプトを考える

事業計画:開業のコンセプトを考える

  • 資金調達
  • 運転資金
  • 開業準備

どのような特色をもって歯科医院を開業するか。コンセプトを明確にすることは重要です。その場のニーズや、競合の相手の様子を見ながら、集患を成功させなければなりません。

一般の歯科医院で成功しきることは難しい

自らが開業しようとする歯科医院について、場所、内外装、またターゲットについて、どのような画を浮かべるか。いわば歯科医院のコンセプト設計は、開業にあたって歯科医師が行うべき非常に重要な仕事です。

ひとつの例として。その一帯に目立った新興の歯科医院がない地方都市の一角で開業しようという場合、内外装がきれいな現代的なイメージの歯科医院がポツンとできれば、若い世代を中心に外科・予防歯科で集患することは難しくないでしょう。

しかし実際には現在、歯科医院の数はコンビニと同程度に多いとされ、競争は熾烈です。旧弊な歯科医院は淘汰されつつありますが、歯科医師の世代交代もひとしきり落ち着きました。すなわち近年できた歯科医院との差別化が測れなければ、あるいは、勤務医時代よりも年収が落ちてしまい、そして休日も事務処理などの仕事に煩わされることもありえます。

「プラスワン」のコンセプトで特色を出す

歯科医院は基本的に失敗しにくいビジネスモデルだといわれます。この情報社会です。治療の費用も基本的に変わらないのであれば、患者もネットなどで新しい病院・評判を見て従来の古い歯科医院から新設の、頭も新しい若い歯科医師に乗り換えることを望むでしょう。

外科、予防歯科。すなわち治療と予防(定期健診)で売上を作ることは、開業にあたりネット等でしっかりとプロモーションを行っていれば難しくはありません。売上の7割(3割負担の場合)を国に持ってもらえるという担保があり、そこも保険診療の強みといえます。

しかし問題は、一般歯科の範囲では、ある程度までのターゲットしかとれないことです。付近にある新しい競合院に負けてしまうかもしれません。少し古い数字ですが、2018年~2019年に開業した歯科医院は約2,600、廃業した歯科医院は2400程度と、この数字だけ見れば、ひとつのエリアで生き残れる歯科医院の数には定数があると考えられます。

そこで重要となるのが、独自のコンセプトです。歯科医院として一般歯科の範囲に対応することは社会的な義務かもしれませんが、「プラスワンのコンセプト」も、特色として強く打ち出したいところです。

たとえば、同じ歯科でも、「小児専門歯科」とすると、そのエリアの子どもを他院よりも確実に集患できます。特に新興住宅街では狙い目ではないでしょうか。予防歯科の需要も高いものと思われます。「審美歯科」としてインプラントや保険診療外のクラウン、ホワイトニングなどのイメージを打ち出せば、郊外の高級住宅街ならばお年寄りや富裕層、また都市部でも20代~40代の美意識が高いビジネスパーソン相手に、集患が見込めるでしょう。

コンセプトが決める必要なもの、捨てるもの

コンセプトを明確化し、ターゲットを絞り込むと、その歯科医院に「必要なもの」「不要なもの=捨てるべきもの」が自ずと決まります。

たとえば都会部で保険診療外中心の歯科医院を作ろうとなると、ユニットは2台でいいでしょう。3台は不要です。設備としては、開業時点でCTやマイクロスコープなどが必要とはなりますが、逆にいえば、それだけの規模で的確に売上を作れます。

技術革新の途上にあり、参入タイミングが難しいものの、将来性は高いデジタルデンティストリー。コンピューター支援による歯科治療、その最新の流れを常に取り入れつつ未来に継続する歯科医院を目指すならば、今は光学スキャナ、CAD/CAMがひとまず必要です。

もっともイメージしやすい個人規模で親密な印象の、地域密着型の一般歯科ならば、やはりユニット3台が基本でしょうか。医師一人で診察、衛生士一人が定期健診、予約優先制で飛び込みも対応、そのようないわば典型的な歯科医院ですが、たとえば最新の詰め物というオプションを持っていれば自由診療で多少の売上は作れる上、そうした対応力を見せれば評判も広まり、患者が転院してくる可能性もあります。設備は一通りのものでよいですが、見た目の印象をよくするため、クリーンな内外装に投資したいものです。

こういったコンセプトを明確化し、自らのスキルや経験とも組み合わせて最良のイメージを持つことができれば、あとはそれを「見学」によって具体化していきます。近くにある同様のコンセプトの歯科医院を見て回れば、「ここがいい、悪い」は見えてくるはずです。そのような印象を自ら立ち上げる歯科医院にフィードバックする、これが万全の手順です。

明確なコンセプトを持つ=捨てるべきもの捨て、とるべきものをとる。すなわち、コンセプトは、歯科医院のイメージ、最終的な形をはっきりさせます。患者目線でいえば、「何に力を入れているかはっきりわかる」。そのような姿となれば、開業の成功はますます現実味を帯びます。ただし、コンセプトをあまりにニッチなニーズに絞り込んでしまうと(例、ありえないことではありますが神経治療のみなど)難しいので、場所性や自らの得意な領分にとらわれず、あくまで客観的な視野から、「ここが売り」という特色を設定したいものです。

歯科開業の教科書
編集部

この記事をシェアする

投稿者

歯科開業の教科書 運営事務局

歯科医院の開業と運営に携わる現場コンサルタントが歯科開業に関する「旬」な情報を現場目線でお届けします。

この記事のカテゴリー

関連するおすすめ記事

よく読まれている記事

関連タグ

おすすめサイト